理想のモデル創造プロジェクト第四弾 自分好みのアクセサリーを作ろう!

WEB上を探してみると、たくさんの方々がMMD(Miku Miku Dance)のアクセサリーを作って公開されています。

中には、「ここまでやるか?」と感心するほど緻密に、細部まで作りこんでおられるものもあります。

一方で、こんなにたくさんのアクセサリーがあっても、自分の作りたい動画に合ったアクセサリーがなかなか見つからないことがしばしば起こるのも事実!

最近では、モーショントレースのスピードがアップしていて、それに伴って動画の作成頻度が増えてきているので、この傾向が一層顕著になってきています。

「このままでは、動画に参加してくれるモデルの娘たちに申し訳ない」

と言うことで、今回のプロジェクトでは、自分の好みに合ったアクセサリーをできるだけ簡単につくれるようにしたいと思います。

題して、「理想のモデル創造プロジェクト第四弾 自分好みのアクセサリーを作ろう!」です。

さて、実際のアクセサリー作りに取り組む前に、アクセサリー制作にあたっての問題点を整理しておきましょう。

アクセサリー制作の際のポイントとは?

アクセサリーの中には指輪やペンダントなど、幾何学的な形状(球とか、楕円形とかです)のものも多々ありますが、これらについては貼り付けるテクスチャーさえしっかりと作れば問題はありません。

私個人の見解ですが、アクセサリー作りで難しいのは、

  • 構造自体が複雑なもの
  • 構造自体は簡単でも、装飾が凝っているもの

ではないかと思います。

例えば、こういったアクセサリーを3DCGで作る場合、どの方向から見ても違和感がない形状に仕上げるためには、それなりのスキルがないとできません。

市販されているキャラクターモデリングの本を見てみると、「下絵に合わせて基本形状を変形する、あるいは面張りして作る」と書いてあるのがほとんどだと思いますが、このやり方でできるのは作り手さんのスキルが高いから。

と言うのも、三次元空間上で正確な形状を把握して、望む形を作り上げるのは簡単ではないんです


それと、一般的にアクセサリーは衣服などと違って変形しません(つまり、形状が固定している)から、表面はできるだけ滑らかに仕上げる必要があります。

例えば、携帯電話(スマートフォン)や手鏡などの表面が凸凹して歪んでいると、違和感がありまくりになっちゃいますよね。

つまり、アクセサリーを作る際には「滑らかな形状を正確に作る」ことが必要です。

一方で、形状が固定しているために、テクスチャーを貼るために必要なUV座標の設定は平面投影や円柱状の投影で十分という利点もあります。

以上のポイントを押さえた上で、いよいよ今回のプロジェクトに入りたいと思います。

いつものように何か制作テーマを設定して、それを作り上げる過程でワークフローを構築します。

今回のテーマには、この娘の持っている弓を選びました。

スプラインを使って滑らかな形状を作ろう

私の経験では、3DCGで滑らかなラインを作る場合、最も簡単なのはスプラインを使うことです。

スプラインの利点は、頂点のベジェハンドルを移動したり回転したりすることで、後からいくらでも修正ができる点!

なので、何とかこのスプラインを利用して、滑らかで正確な形状ができないものかと考えました。

で、3DCGソフトウェアの機能をいろいろと調べてみると、スプラインで閉じた形状を作ると、そのスプラインで囲まれた空間にポリゴンを自動的に貼ってくれる機能がありました。

この機能を使うと、下絵に沿ってスプラインを描くだけで、目的の形状のアウトラインを持つ平板ポリゴンが簡単に作れます。

次に、この平板ポリゴンに厚みを付け、出来上がった立体形状の角の部分を面取り機能で滑らかにすれば、厚みこそ均一ですが、正面から見た目的とする形状がすぐにできます。

ここまでの作業でちょっと手間がかかるのは、下絵に沿ってスプラインを描く部分だけ。

後は、3DCGソフトウェアの機能を適用するだけなので、あっと言う間です。

さて、出来上がった立体ポリゴンの厚み方向の形状を整えなければいけませんが、この時、ポリゴンの頂点を移動させて編集すると、折角作った滑らかなラインが崩れてしまいます。

このため、厚み方向の調整を行う際には、3DCGソフトウェアの「格子(ラティスとも呼ばれる)」を使って全体の形状を整えます。

こうすれば滑らかなラインを保ちながら変形できる上に、頂点を一つ一つ動かす手間も要りませんから、作業時間も短くて済みます。

まとめますと、滑らかなラインを持つ形状を作る場合には、

  • 下絵に沿ってスプラインを描き、閉じた形状を作る
  • その形状に対して、「面張り→厚み付け→面取り」で立体化
  • できた立体ポリゴンに「格子」を適用して、厚み方向の形状を調整する

と言うこと。これが、こだわりP流のアクセサリーの作り方です。

ただ、このやり方にも欠点はあります。

それは、出来上がった形状のポリゴンメッシュがあまり綺麗ではないことです。

これは、出来上がった弓のUV展開図ですが、各面を構成するUVが結構歪んでいるのが分かります。

でも、上述のとおり、弓自体が大きく変形する訳ではありませんから、各パーツを正面、あるいは上面から焼き込んで作ったUVでも十分綺麗に仕上がります。

どうでしょうか? MMDのアクセサリーとしては十分だとは思いませんか?

折角なので、PAちゃんに持ってもらいました。

MMD上でAutoLuminousを適用すると、更に見栄えが良くなりますよね。

今回見つけたやり方で、可愛い髪飾りを作ってみると・・・

今回作ったものがゲームキャラクターの持っている武器だったので、このやり方で本当に女性モデル用の可愛いアクセサリーが作れるかどうか試してみたくて、髪飾りを作ってみました。

モデルに選んだのは、冒頭で紹介した桜の髪飾りです。

そして、出来上がったのがこれ!

どうでしょうか? MMDのアクセサリーとしては上出来の部類なんじゃないでしょうか?

PPちゃんの可愛さも一段とアップして、めでたし、めでたしです。

これで、今回のミッションはコンプリート。

後は、いろいろなアクセサリーを作って経験を積むことで、レベルを上げるだけですね。

さて、次回のプロジェクトですが、最近MMDモデルのことで特に気になっていることがあります。

それは、肘や肩などをボーンで曲げた時の形です。

今までは他の方が作られたモデルをそのまま使用することが多かったので、あまり気にしていなかったのですが、自分でモデルを作るようになると目に付くことが多くなってしまって・・・。

で、ここしばらくの間、ボーンのウエイトの調整をあれこれ試していたのですが、どの方向に曲げても綺麗に曲がるような調整はできませんでした。

でもよくよく考えてみると、モデルの身体を構成している頂点数が限られているのですから、完璧なウエイト調整などはできなくて当たり前なのかも知れません。

それでも、少しでも良くする方法はないかと3DCGの本を読み漁っていると、ハイエンドのCGソフトウェアの中にはボーンによる変形とモーフによる変形を組み合わせて調整するものがありました。

MMDにもモーフの機能がありますから、MMD上でそれに類する機能を実現するのは不可能ではないはず・・・。

と言うことで、次回はボーンとモーフを組み合わせた関節の変形機能の実現について検討するつもりです。

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