女性の衣装には洋服、和服などさまざまな種類のものがありますが、大和撫子に似合う服と言えば、やっぱり着物でしょう。
でも、残念なことに、最近ではあまり見かけませんよね。
年に数回、お正月、卒業式、そして夏祭りに少し見かける程度かな。
それでも、たまに着物を着ている女の人を見かけると、素直に「いいな~!」って思ったりします。
また、以前に「唯一、愛の詠」をトレースしていた頃、トレース完了時には着物を着たモデルに踊ってもらいたいと思っていました。
そんな訳で、本プロジェクトでは2回に分けて、見惚れる着物の作り方について検討することにします。
1回目は題して、「理想のモデル創造プロジェクト第六弾 大和撫子の必須アイテム 着物を作ろう」です。
前半の今回は、リアルな着物の形状を作るためにワークフロー構築を目指します。
さて、本プロジェクトの第三弾で、クロスシミュレーターを利用した服の作り方について検討しましたが、今回もクロスシミュレーターを用いて制作することにしました。
ところが、いざ作ろうととすると正確なイメージが湧いてきません。
それで、着物姿の女性の画像をあれこれ眺めて見たんですが、細かい部分の構造はなかなか把握できませんでした。
「困った、どうしようか?」と悩んでいる時、偶然WEB上で着物を描くためのノウハウ本を見つけました。
元々はイラストを描くための本のようですが、着物を着物らしく描くために押さえておくべきポイントが分かりやすく書かれていました。
そこで、その本を参考にして、まず着物とはどんな構造なのかについて調べてみることにしました。
着物の構造は、普通の服とは違う?
私は最初、「着物は大きな袖の付いた長い裾の服」と思っていたのですが、構造的には全く別物なのだそうです。
服を着物らしくするためのポイントを挙げると、
- 袖の付け根は肩よりもかなり腕側にある
- 袖口は全開ではない
- 着物では襟が二重になっている(浴衣は一重)
- 帯の締め方にはいろいろな種類がある
- 帯には帯留めがついている
- スカートと違って、着物の裾は膝辺りから広がる
ってところでしょうか。
それと、洋服と大きく違う点は「着物は着ると言うよりも身体に引っ掛ける」感じになると言うこと。
どういうことかと言えば、着物(特に袖)は身体に沿って曲がらないと言うことです。
以上のポイントを押さえた上で、制作した着物がこれ。
折角なので、PPちゃんに着てもらいました。
草履を履いて、簪(かんざし)を挿すと、とってもお淑やかに見えますね。
より一層、着物のクオリティを上げるためには?
今回の制作自体は、プロジェクト第三弾で紹介したやり方でクロスシミュレーターを使って作成しただけで、特に変わったことはしていません。
ただ、制作の過程でいろいろと思うところがありましたので、今後より一層クオリティを上げるための反省点を挙げておきたいと思います。
【今回の反省点】
(1)襟元の形状が甘い
着物の襟は、思ったよりも硬くて厚いので、もう少し鋭角に立てるべきでした。
(2)着物の柄が単調
制作し終わってから知ったんですが、着物の柄はある規則に従って描かれているんだそうです。
実は今回、着物のテクスチャーを制作する時、柄をどう描けば良いのかが正直分かりませんでした。
それで、適当に花を散らしてみたんですが、出来上がったモデルを見ていると、何となくですが単調な感じが否めません。
なので、次作では着物の柄の描画パターンを踏まえて描こうと思います。
着物をより魅力的に動かすには?
今回のプロジェクトでは、まず着物自体を制作するためのノウハウ習得を行いましたが、着物を着たモデルが優雅に舞えば、もっと魅力的に見えるはずです。
個人的な見解ですが、着物がより魅力的に見える瞬間とは、
- 腕を上げた時に袖口が捲れて、白い二の腕が見える時
- 着物の裾が少しめくれて、しろい足元がチラリと見える時
ではないかと思っています。
でも、これをMMDで実現するためには、洋服の時とは少し違ったセッティング(ボーンの仕込み方やモーフとの組み合わせ)が必要になりそうです。
そこで、次回のプロジェクトでは、着物をより魅力的に動かすためにはどうしたら良いのかについて検討する予定です。
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